香りの散歩道 |
墨絵・朝野泰昌 |
「朝野家 香りの散歩道」 この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。 今日のお相手は、私、木村匡也です。 |
いそがしく時計の動く 師走かな (いそがしく とけいのうごく しわすかな) この句は、明治時代に正岡子規(まさおか・しき)が詠んだものです。 デジタルの時代になった今も、時計の針がチクタクチクタク、忙しそうに進む音が聞こえてくる気がしませんか。 時をさかのぼって江戸時代、小林一茶(こばやし・いっさ)は年の暮れにこんな句を詠みました。 餅搗が隣りへ来たと いふ子かな (もちつきが となりへきたと いうこかな) 「隣の家で餅つきがはじまるよ」と言って、はしゃいでいる子どもの姿が目に浮かぶようですね。 つきたての餅のいい匂いまで、よみがえってきます。 師走のこの時期、江戸のまちでは、餅つきを請け負う職人が家々を回っていました。 臼(うす)や杵(きね)などの道具一式を持って来て、依頼を受けた家の前で、威勢よくついていたそうです。 武家や商家など、使用人がいる家では自前で餅つきをしましたが、庶民の家では職人に頼むか、正月用品を売る歳の市で買い求めていたとか。 今は、家庭用の餅つき機も人気があるようで、いつの時代も、正月餅を用意するのは年越しの風物詩ですね。 さて、今年も一年、『朝野家・香りの散歩道』にお付き合いいただきありがとうございました。 みなさまどうぞ、よいお年をお迎えくださいませ。 来年もまた、ラジオでお会いしましょう。 「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。 |
*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中 ↓mp3です。
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毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。 香りの散歩道TOPへ / TOPへ / 歳時記へ |